プロダクト分析ツール【Mixpanel】とは?
こんにちは。
今回はMixpanel担当のエンジニアが記事を書いていきます。
皆さんは「Mixpanel」というSaaS製品をご存知ですか?
日本市場ではまだ認知度が高くないですが、最近ブランドをリニューアルし、”Analytics for Everyone” (分析をすべての人に!)をコンセプトに使いやすい分析ツールを打ち出しています。日本企業でも導入実績が出てきていることもあり、徐々に利用者が増えています。
今回はその「Mixpanel」には、どんな機能があり、どんなことが出来るのか、書いていこうと思います。
Mixpanelとは?
Mixpanel社のサイトより引用しました。
記載にあるようにMixpanelは、ユーザーのオンライン上での行動を分析するツールです。
ECサイトの例では、「あるユーザーが商品を購入するまでにどのようなページをたどったのか」であったり、「優良顧客はどの商品を、どんな頻度で購入しているのか」など様々な分析を行うことが出来ます。
さらにユーザー行動分析の中でも、従来のアクセス解析ではなく、「プロダクト分析」という分野を得意としているツールです。
プロダクト分析?
あまり聞きなれない言葉だと思いますので、こちらも説明します。
従来のアクセス解析はPVといったページの閲覧数を見ることはできましたが、そのページを見てくれた人がどのくらいの年齢なのか、どの性別の人なのかなど属性と紐づけて分析することはできませんでした。
またページ内のアクション(ボタンクリックや資料ダウンロード、動画再生など)をユーザー単位で分析することも特殊な設定をしなければできませんでした。
そこで登場したのがプロダクト分析です。
プロダクト分析はアクセス解析と異なり、ユーザーの特定を行った上でページ閲覧の他様々なアクションをイベントとして取得したり、属性情報を用いてさらに深く分析を行うものを指します。
これまで見られていなかった情報を用いて深く分析することで、得られる示唆や改善策の幅が広がるのがメリットです。
ユーザーを特定したり、属性情報を取得するために顧客IDやメールアドレスなどを紐づける必要がありますが、個人情報を極力入れたくないという場合は、ハッシュ化したIDのみ紐づけるというようなことも可能です。
以下の記事でもプロダクトアナリティクスについて書いていますので、こちらも参照してください。
実際の画面を見てみる
Mixpanelは無料でも利用可能です。
無料版の登録は、以下から可能です。
https://mixpanel.com/register/
今回は無料で見ることのできるデモデータ(Media)を見ていきます。
デモデータを見る
まずデモデータの開き方ですが、Mixpanelにログイン後、
右上の "?" マーク→Mixpanel Demo Project→Meidaを選択することで開くことができます。
デモデータを開くと、ダッシュボードが開かれます。
(ダッシュボードについては後述)
ありがたいことにデモデータだけでなく、このダッシュボードもサンプルのものが用意されているので見てみましょう。
ダッシュボードを見る
ダッシュボードは、分析するために作成した複数のレポートを保存しておく箱のようなものです。自分だけのダッシュボードを作ることも出来ますし、特定のグループで共有する、あるいは公開用ダッシュボードをつくることも出来ます。
ダッシュボードは自社のデータを分析・可視化し、チームや部署の壁を越えて共有する、あるいはコラボレーションすることが出来る機能です。
(Analytics for Everyone!)
実際にサンプルのダッシュボードをみてみると、画像のようにInsightsレポートやFunnelsレポートが保存されていることがわかります。
チーム別で指標を見たり、比較したいレポートを並べたり、使い方は様々です。
なおダッシュボードにはレポート以外にも、テキストや画像、Youtube・Loom・Vimeoの動画も置くことができます。レポートを見て気づいたことをテキストでメモし、グループ内で共有しながら改善策のアイデアを出し合うという使い方をしているお客様もいます。パワポで時間をかけて作っていたレポートが不要になる日も近いかもしれません。
ダッシュボードについて、もっと詳しく見たい方は公式のドキュメントも参照ください。
レポートを見る
レポートにも種類があり、
Insights
Funnels
Flows
Retention
などがあります。
そのほかのレポートもありますが、今回はこの4つの概要を見ていきます。
Insights
まずはInsightsを見てみましょう。
このレポートはかなり汎用性が高く、記事を閲覧してくれたユニークユーザー数や商品の購入回数など、何かのイベント回数やそのイベントを行ったユーザー数などを見ることができます。
※イベントとは、ユーザーの起こした行動のこと
今回のサンプルで作られたレポートでは、Watch Video(動画の閲覧)というイベントが、Platform(PCなのかスマホなのかなど)ごとにどのくらい行われているかを分析したものとなっています。
レポートのグラフを見てみると、どの日にちでも紫色のiOSで一番数値が高いことがわかりますね。
このように、簡単に人気のPlatformを分析することができました。
Insightsは、ユーザーの行動や属性でフィルタやブレイクダウンができ、時系列で推移をみたり、グラフの形式を変えることもワンクリックで自由自在です。よって、自社ユーザーを理解するための分析や課題把握のための基礎集計はInsightsがあればほぼ出来ちゃいます。
Insightsレポートについてもっと詳しく見たい方は、公式のドキュメントも参照してみてください。
Funnels
次はFunnelsを見ていきます。
Funnelは、日本語では「じょうご」なんて訳されたりしますが、ユーザーの一連の行動の中でどこで離脱してしまっているのかなどを見ていくことができるレポートになります。
サンプルで作られたレポートでは、ユーザーが、
Sign Up(新規会員登録)
→Watch Video(動画閲覧)
→Like(動画へのいいね)
→Comment(動画へのコメント)
→Channel Subscribe(チャンネル登録)
するまでにどのくらい離脱したのか、もしくはどれくらいの人がチャンネル登録までしてくれたのかを見ることができます。
今回のサンプルではSign Upしたユーザー(9845人)の内、約28.51%のユーザー(2807人)がChannel Subscribeをしてくれたことがわかります。
何かの媒体で動画を投稿している人がこのデータを見られたら、とても見てみたい数値なのではないでしょうか。
Funnelレポートについてもっと詳しく見たい方は、公式のドキュメントも参照してみてください。
Flows
Flowsは、ユーザーが起こしたイベントの導線(動線)をみるレポートになります。
Funnelと何が違うのと思う方も多いと思いますが、
・Funnel: ある特定の導線(ステップ)でイベントを行ってくれた/途中離脱したユーザーの割合
・Flow: ある特定のイベント前後にどんなイベントを行っているか
を見ることになります。
要するに、分析側で決めた導線があって導線通りの動きをしている割合を確認するためにはFunnel、ユーザーの導線がわからないから知りたいといったことであればFlowを使うのが良いと考えます。
今回のサンプルでは、Sign Up後のユーザーの導線がどうなっているかをみています。
マウスオーバーすると、以下のようにどの導線をユーザーが良くとっているのかなども見つけられたりします。
Sign Up→Watch Video→Like→Purchaseといったユーザーフローを辿る人が多いようです。
Flowレポートについてもっと詳しく見たい方は、公式のドキュメントも参照してみてください。
Retention
最後はRetentionです。
あるイベントから次のイベントまでどのくらいの期間あいているかを見ることができるレポートになります。
サンプルでは、Watch Videoしたユーザーが再度Watch Videoするまでどのくらいの期間があいたかをみています。
Average Retention(平均のリテンション率)の数値を見てみると、多くのユーザー(83.09%)が1週間以内に再度Watch Videoしていることがわかります。
Retentionレポートについてもっと詳しく見たい方は、公式のドキュメントも参照してみてください。
最後に
ここまでMixpanelについて大まかに説明してきました。
Mixpanelで分析できることをなんとなくでもわかっていただけましたか?
今回は英語のデータで見ていますが、実際に皆さんが使う場合は日本語のデータを入れることができますのでご安心ください。
まだまだ不明な点も多いと思いますので、次回以降もう少しレポートを深堀してみていきたいと思います。
NTTコムオンライン が提供する Mixpanel 活用支援サービス
Mixpanel の導入には、プランニングが不可欠。フレームワークを駆使して自身で行っていただくこともできますが、NTTコムオンラインでは、初期導入や Free plan から有料プランへのアップグレードの場面でも、柔軟にイベント指標のプランニングサービスをご提供しています。
↓↓↓ プランニングの話は、こちらの記事もぜひご覧ください。
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