BtoB企業のNPS調査における適切なサンプルサイズはどの程度ですか?
こんにちは!NTTコム オンラインの松山です。 先日、2023年5月19日に「トランザクショナル調査から成果を上げるツール導入事例を徹底解説~タッチポイントにおけるCX改善の実践法~」をテーマとしたセミナーを開催いたしました。
ご参加くださったみなさま、誠にありがとうございました。 最近はオンラインでの開催が多かったのですが、今回は久々の対面型での開催ということで、ご参加いただいたみなさまと意見交換もしながら進めることができ、非常に充実した時間となりました。 今回はセミナーの中で「BtoB企業なのでステークホルダー数に限りがありますが、NPS調査おける適切なサンプルサイズはどの程度ですか?」という質問を頂きました。そこで今回はBtoB企業におけるサンプルサイズの考え方についてお話ししたいと思います。
NPS算出にあたって目標となる数
アンケートの回収数を増やすことで、誤差の幅を狭め、その幅に収まる確率も高めることができます。一方で数を増やそうとしても、調査コストが膨らんでしまうことや、アンケートをお送りできる方が限られている場合もあるかと思います。 NPSをKPIとした場合、統計的な観点においては400サンプル以上を確保することが望ましく、この場合の誤差は±4ポイントとなります。
エリアごとに結果を見たいなど、属性ごとの傾向を把握したい場合は各セグメント400サンプル回収することが望ましく、それを踏まえて全体の数を検討する必要があります。
BtoB企業におけるサンプルサイズの考え方とNPSの有用性
ここまでは一般的な調査におけるサンプルサイズのお話をさせていただきましたが、ここからはBtoB企業における考え方についてお話ししていきたいと思います。 統計的な有意性という観点では先ほどお伝えした通り400サンプル以上が必要となります。しかしそれを下回る場合であっても、次の3つの観点でNPSには利用価値があるといえます。
BtoBでもNPSと収益性に高い相関がある
複雑な顧客関係をシンプルに測定できる
顧客との対話ツールとして活用できる
BtoBでもNPSと収益性に高い相関がある
収益性についてはこちらでもご説明しておりますが、BtoB企業においても顧客ロイヤルティが企業間取引において、購買行動に重大な影響を与えているという結果が出ています。また、ある調査では推奨者のサービス解約率は批判者と比較して大幅に低い結果となり、このことからもロイヤルカスタマーが企業の成長を支えていることは明らかであるといえます。
複雑な顧客関係をシンプルに測定できる
BtoB企業においては、ほとんどの場合において個人の判断ではなく複数人・複数部署が関連することとなります。そのような複雑な顧客関係を、NPSを使えばシンプルに測定できるようになります。
意思決定者とエンドユーザーでは顧客体験が異なるため、いくら丁寧なサポートを行いエンドユーザーから高い評価を得ていても、意思決定者が求めているニーズとは異なり、不満を抱えている可能性もあります。そういったことを防ぐためにも普段対面で接している担当者に対して意見を聞くだけではなく、その上にいる意思決定者や他部署の関係者からもフィードバックを得ることで、購買への影響レベル別にロイヤルティを測定でき、有効なアクションを取ることが可能となります。
顧客との対話ツールとして活用できる
BtoB企業におけるNPS調査は、調査結果そのものが顧客との重要な接点となっていきます。アンケートを実施し、顧客の声を取得した後はその内容をもとに即時フォローを行ったり、不満解消に向けた提案につなげて行くことで、対話のツールとして活用することもできるためです。
まとめ
サンプルサイズをどうするかを検討するにあたっては、統計的に有効であるのかという観点でだけでなく、データの分析・活用イメージに対して、そのデータの信頼性・精度をどのレベルで良しとするかという観点も踏まえ、判断していくことが大切です。NTTコム オンラインはNPS調査からNPS向上への改善アクションまで、ワンストップでサポートしています。今回の記事に関する内容以外でも気になる点などあれば、ぜひお気軽にご相談ください!