【SNSの監視なんて一人じゃ無理!社内体制はどうすれば!?】ソーシャルリスニングのはじめ方【第1話】
ひょんなことからエムジー金属のSNSの担当になった古庄。めらめらと炎え上がるやる気のもとで、炎上対策の手法を検討するも・・・?
炎上のケースを調べると・・・
「自社のツイートをバズらせれば勝ち!って思ってたけどハッシュタグに相乗りで企業プロモーションが炎上したこともあるのか」
「リツイートや引用なんて営業時間外にも行われるわけだし、企業アカウントをこれから始める、って言っても社員やバイトのツイートとか、製品そのもののツイートは過去にもいっぱいあるよな・・・」
「炎上したときも早めに対応すれば沈静化も早そうだなあ、それにこの家電メーカーさんなんかはユーザの声に早めにリプライしているし、やっぱりこういうのは好感度高いよねえ。できる限りSNSの投稿を収集して、拡散した場合はすぐに対応しなきゃねっ!」
「色々調べてるみたいだね。方向性は決まりそうかな?」
「はいっ!炎上って何が原因で火が付くか解らないし、過去に投稿にまでさかのぼって炎上するケースもあるみたいで・・・ただ炎上って、起こったときには初動が大切っぽいです。」
「例えばこの会社なんかは、早急にリプライしてるし好感度も高いですよね!好感度が上がればマーケティングの強化にもつながるし、とにかくスピーディーな運用体制を作りたいですっ!常に監視して、対策をとる方向性で考えたいのですが!」
「炎上が起こったときには早めの対応が必要なんだね。でも、通常の業務もある中で毎日チェックするのはチョットしんどいよねぇ。人が増やせるわけじゃないし。」
「あっ、確かにそうでしたね…」
「いったんウチでの運用体制を整理しつつ、要件をまとめてみようよ。」
要件をまとめましょう
【ソーシャルリスニングとは】
Twitter等の主要SNSへの投稿を収集し、ビジネスに活用することをソーシャルリスニングと言います。ソーシャルリスニングを行う上での要件は以下のようにまとめます。
定義
収集するメディア(Twitterやニュースサイトなど)の選定のほか、どのように活用するか(リスク対策に絞るか、VoC収集:ユーザの声の収集を行うのか)についての目的を先ずは定めます。
運用体制
目的が定まったら、自社で実施するか、それとも外部に委託するかを定めます。
炎上対策などのリスク対策としてソーシャルリスニングツールを導入する場合は、社内での通報体制や、事象の確認方法、その後の対応策の発表などについての運用フローも定めます。
ポイント
Webサイトといってもニュースサイトや匿名掲示板、レビューサイトなど多数存在します。また、SNSの種類も様々です。ソーシャルリスニングを行う際には目的をしっかり定めることをおススメします。
エムジー金属の運用を考える
古庄は営業時代にお客さんの意見をまとめ上げ、発注部門へと注文書を受け渡すまでの流れを思い出しながら要件について考えるのであった。
「twitterのプロモーション効果だけど、これは自社製品についての言及や反響数をKPIとすればよいか。今回は炎上対策についてもチェックしたいので、ここをどうやって知るかがキーになりそうだな・・・」
「この前見た学生のツイートに画像込みで投稿すると情報漏洩にもつながるけど、投稿文章を収集すればよいか。」
古庄は次のような要件をまとめて青宮に相談に行く。
プロモーションやCMなどの反響数の把握
リスク対策として自社会社に関する火種となりそうな投稿の把握
SNSの監視対象はtwitter、ニュースサイト、匿名掲示板
収集は投稿文章、画像は収集しない
「・・・という方針で行こうかと思います。」
「よしわかった!では、この辺りは外部リソースを使って効率的に実施しよう。いくつかベンダーにあたってみよう!!」
いよいよベンダーに相談!
古庄は、青宮とともにソーシャルリスニングのサービス提供をしている会社に問い合わせを行った結果、以下の3社から提案書が届いた。
トータルソーシャルリスニング社
twitterのみならず各種のSNS運用代行サービスを実施。投稿コンテンツからマーケティング施策までを一括で請け負う統合型プラットフォームが売り。
TNNオンラインマーケティング社
Twitterを中心としたSNSの投稿分析ツールを提供。投稿数が増加した場合のアラート通知でタイムリーな監視を実現しているのが売り。
ネットリスクラボラトリー社
twitterに限定したソーシャルリスニングサービスを提供。サポートなどは受けられない分、とにかくローコストが売り。
青宮と古庄は3社からのプレゼンを受けて、さらに運用体制を考えた。
PRやキャンペーン投稿など、月毎の投稿は自社で賄う
偶に”映え”な投稿もあるが、twitter上で言及されることが多いのでRT数をマーケ部と共有する
炎上時には直ちに通知を受け、広報室から経営企画部へエスカレーションを行い、対策を確認した上で、広報室で初期通知を行う
「この体制であれば、現在の業務量の中でもうまく運用がまわせるかな。」
「よし!運用は自前で行うから、今回はTNNさんかネットリスクさんの2社選定だね。予算からするとネットリスクさんが良いんだけど…」
「そうですね、念のため2社に当社の方針を伝えて、助言をもらってみます!」
ソーシャルリスニングの要件をまとめ、青宮の助言もあり社内体制の大まかな方針をうちたてた古庄。
仕事が進んだことに満足感を得ながら、内心安い方で決まっりだね~と思いながら2社のアポとりの連絡を入れるのであった。もう一つの難関が待ち構えていることに、この時の古庄は気が付いていないのであった….(続く)