「SNS担当者に任命!」ソーシャルリスニングのはじめ方【第0話】
建材メーカー エムジー金属に勤務する古庄は、営業部から広報部へ異動して1年。若いからという理由でSNSの担当になりました。不安もあるけど乗り気で運用を行おう!と取り組み始めるも・・・?
SNSの運用が決定!
ある晴れた冬の昼下がり、エムジー金属では次年度の広報戦略会議が行われていた。
青宮
「・・・というわけで、コーポレートブランディングを強固にしたく予算の増額を申請します」
社長
「広報の費用を増額というのは良いと思うよ。ただ、使い道は広告に回すというよりもSNSに注力してほしいかな。うちのライバル、ノース・マテリアルさんのツイートが結構面白くてね。熱狂的なファンがいるみたいなんだよ。」
青宮
「確かに、これまでSNSの発信については後手に回っていました。予算はSNSの強化という事で検討します。」
社長
「うん、マーケティングの強化にもつながるだろうからね、よろしく頼むよ。」
古庄がSNS担当者に決まった瞬間であった
SNSの運用は広報室が担当することに
おっ、古庄おはよう!昨日の会議で会社のSNS運用が決まってね。先ずはtwitterとFacebookから始めようかと。古庄に担当お願いできるかな?
おはようございます。って私が担当ですか!?確かにSNSは以前から気になってたんですが・・・
(最近は仕事にも慣れたところだったけど、会社のSNS配信なんて勤まるんだろうか???
プレスリリースや番組CM、スポーツ選手へのスポンサー活動など業務は広いなかで、新たな仕事、それもメインの担当なんて勤まるかなぁ・・・)
以前話題に出たノース・マテリアルのツイッターアカウント、社長も見てたみたいなんよ。ゼロからの立ち上げになるんだけど、予算化もできそうし、もちろん手伝うから。
(若干の間をおいて、ちょっとにやけつつ)・・・はいっ!頑張ります‼
(不敵な笑みだけど何か企んでるな!?) 予算があるとはいえ、増員できるわけじゃないんだけどね。どう進めるか、運用について考えてみようかね。
わかりましたっ!
古庄はまずは製品やリリース、新CMやキャンペーンについての投稿を行うことを想定して、自社製品についてのツイートを調べてみた。会社名だけで投稿を眺めていると、新製品のCMがカッコ良くショールーム行ったらおしゃれでよかった!とか、サポートしているスノボの選手がんばれ!といった好感触の投稿から、古い製品のサポートが終了しててがっかりした、などネガティブな投稿もみられた。
炎上の火種となりそうな投稿を発見
同期の営業がふらりと現れる。
よっ、古庄。会社でSNS始めるんだってね。ちらっとお客さんから聞いたんだけど、関連の製造工場でX製作所ってあるでしょ?なんだかひどい労働環だ!って投稿があったみたいでさ。ちょっと気になるから一応耳に入れとくわ。おっ打ち合わせがあるんでまたな!
相変わらずせわしないなあ~ でも、情報ありがと!
自社製品のプロモーションの事ばっかり頭にいっぱいだったけど、ネガティブな投稿がきっかけとなる、炎上についての意識がすっかり抜けていた。古庄は投稿を探してみた。
X製作所ブラック過ぎエグイ( ノД`)シクシク…電気暗い雰囲気暗い空調も弱いし寒いいいいい最悪!!#ブラック企業選手権#X製作所
「うわっ!!」
他の投稿を見てみると、投稿者は冬休みの間アルバイトをしていた高校生の様だ。
叫び声が聞こえたけどどうした~?
すみません!ツイートを眺めていたんですけど、関連会社の工場の投稿にびっくりしてしまって。冬休みの間のアルバイトの高校生の投稿で、リツイートも無く炎上には至ってないんですが・・・
おお。生々しいね…
SNSの運用ってのは自社の投稿に対するリアクションだけじゃなくて、どんな投稿がなされているかも網を張っておかなきゃダメなんだね。アルバイトの学生の悪乗りとか、ニュースになってるもんな・・・
そうですね。配信に関してはCMやリリースを中心に回せそうなんですが、投稿のチェックとなると、、、ざっと見ただけでも、投稿が多すぎて、毎日、それもリスクがありそうな投稿だけをチェックするのは厳しいですね。
確かになあ…そうすると予算は外部のリソースを使うとするか。
炎上対策のためには、いくつか方法があると思うんでアタリをつけてみて!
はいっ!わかりましたっ‼
SNSの運用という事で最初は不安だった古庄。でも投稿をバズらせたり、炎上した際にはてきぱきと対応をして、社内でのお株をあげる未来の自分を妄想しながら、古庄はソーシャルリスニングの世界に踏み込むのであった….
(続く)