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CS(顧客満足度)からNPSへの切り替えを検討しています。NPSの良さと有効性、デメリットと注意点を教えてください!

みなさま、こんにちは!NTTコム オンラインNPSコンサルタントの藤村です。 本日は、NPSの導入を検討されている方向けにメリット・デメリットをあらためて紹介していきます。

NPSコンサルタント藤村がお答えします!



メリット①:シンプルにロイヤルティを測定できる!

まずは何といっても、NPSは「企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるか」を数値化し、顧客のロイヤルティをシンプルに測ることができる指標であることが魅力です。

NPSのメリット3つ

「あなたは〇〇(企業やブランド)を薦めたいと思いますか?」というたった1つの質問文、11のスケールの設問を設定するだけで推奨度を取得し、NPSが測定できてしまいます。 CSではスケール数や指標としての計算方法が統一されていないのに対し、NPSは統一された規格であるため、他社事例を参考にできる点も魅力です。


メリット②:アクションが起こしやすい!

2点目としては、お客様を推奨者・中立者・批判者の3つに分類することができ、それぞれに対しアクションを起こしやすいことです。

NPSにおける3つのセグメント


推奨者

これまでの追跡調査から、9・10点をつけた推奨者は購入金額や購入数が多い・ポジティブなクチコミをする、といった傾向があることが分かっており、まさしくロイヤルカスタマーの特性と合致します。


中立者

一方、7・8点をつけた中立者は、満足はしているもののさほど熱心なファンではなく、ロイヤルティよりも惰性でその商品を買い続けているという傾向があります。

批判者


最後に、0~6点をつけた批判者は、購入金額が少ない・ネガティブなクチコミを広げるという傾向があります。企業にとって機会損失をもたらす方々です。

このように、NPSの運用によってセグメントごとの行動の違いを認識することで、適切な施策を展開することができます。 また、BtoBの場合は個社ごとに対応することが多いため、 推奨度の3つのセグメントと、売上などの顧客収益性指標を組み合わせて 6象限にお客様をプロットし、それぞれに対しアクションを検討するグリッド分析も多く行われています。

グリッド分析

メリット③:企業の業績や成長性と相関が強い!

そして重要な3つ目は、従来のCSに比べて企業の売上や収益性との相関が強い点です。 顧客ロイヤルティを測ることができる指標であるため、リピート利用や追加購入、クチコミしてくれる度合いなど、将来の顧客の行動をとらえることができます。 実際に事例を見てみましょう。

NPSと企業業績

こちらは、住信SBIネット銀行がアニュアルレポート等で公表されている、自社顧客向けのNPS調査の結果をもとに弊社が作成したグラフになります。 経常利益・当期純利益、口座数、預金残高のいずれも、NPSスコアと連動して上昇傾向となっており、NPSと企業の業績指標の連動性が伺えます。


継続利用意向

各業界における10点満点の継続利用意向も、推奨者の方が批判者よりも高い結果となっています。 批判者を推奨者へ移行することで継続率向上が期待できるといえます。

CSとの違いについては以前の記事でも光安が解説していますので、合わせてご覧ください。

note記事:同じアンケート調査なら顧客満足度調査よりもNPS®をおすすめする理由

NPSの浸透段階では、このような業界事例や他社事例を紹介するとともに、 自社のデータでも有効性を示すことで、より現場も自分事として結果をとらえていただけるのではないかと思います。

デメリット:日本では特にマイナススコアが出やすい!?

NPSの日本の傾向

デメリットとしては、NPSは理論上マイナス値が出ることが挙げられるでしょうか。 他社に薦めたい度合いというのはお客様にとっては高い点をつけるハードルが高いため、 NPSは他の指標と比べて厳しい数値が出る指標と言われます。 マイナスの指標が出ることで経営層から悪いイメージを持たれたり、現場のモチベーションを下げてしまう恐れがあることが、導入にあたっての障壁となっているお客様がしばしばいらっしゃるようです。

特に日本においては、欧米圏と比較して「冷めた目」で俯瞰して評価する傾向があることや、人にむやみに推奨しない国民性、また中間の5点や6点を標準の評価としてつける傾向があることから(欧米圏の学校の採点では6点以下は不可扱い)総じて批判者割合が高くなり、NPSがマイナスになりやすいと言われています。

絶対値ではなく、推移で見ることが重要!

しかしながら、上記のデメリットを補足させていただくと、実際はNPSの絶対値にあまり意味はありません。 単にNPSの値がマイナスだからと言って一喜一憂したり、それだけで何かを判断しないことが重要です。

例えば、以下のような検証を行うのが正しい活用の仕方です。

  •  過去と比較して改善しているのか?

  •  製品群などのセグメントで比較したときにどこに問題がありそうか?

  •  競合と比較したときにどのようなポジションにいるのか?

  •  推奨度に影響が強く、優先して改善しなければならない要素は何か?

このように、改善活動の指標として、あるいは改善アクション検討のためのツールとして、継続してNPSを取得していくことこそに意味があります。 業績への連動には時間がかかりますので、すぐに目に見える成果が得られなくとも、時間をかけて腰を据えて取り組んでいただければと思います。

まとめ

いかがでしょうか?一般的にデメリットと言われている点を正しく理解していただき

  • シンプルにロイヤルティを測定できること

  • アクションを起こしやすいこと

  • 企業の業績や成長性と相関が強いこと

この3つを大きなメリットとして推進していただければと思います!

気になることがございましたら、ぜひNTTコムオンラインにお気軽にご連絡ください! 導入に向けた具体的な内容であれば、コンサルタントによる無料相談会も実施していますよ。 それではまた次回お会いしましょう!

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(※ Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(NICE Systems,Inc)の登録商標です。)


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