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プロダクト分析を成果につなげるプランニングの話

こんにちは。Mixpanel コンサルタントの黛(まゆずみ)です。
今回はプロダクト分析にまつわる「プランニング」をテーマに書きます。

プロダクト分析に限らず、皆さんはデータ分析をする目的をどこに置いていますか?

多くの方は分析すること自体ではなく、分析から示唆を得て改善策を打ち、自社のビジネスやサービスを成長させることが目的なのではないでしょうか。
大企業では役割分担が細かいことが多いので、分析をすることやマーケティング施策を実行することをミッションにしている人も多いと思います。しかし、自分のミッションの先にある目的(ビジネスゴール)が見えていなければ分析や施策がうまく機能するはずはありません。

プロダクト分析を通してビジネスゴールを達成するためには、事前に下記2つのプランニングを行い、関係者間で認識を合わせておくことが重要です。

① 計測イベントのプランニング
② モニタリング指標のプランニング

① 計測イベントのプランニング

プロダクト分析やユーザー行動分析する場合、事前にどのようなイベント(ユーザーの行動を「イベント」と言います)をトラッキングするか設計する必要があります。ユーザー行動は多岐にわたりますが、挙げるとすれば下記のようになります。

[オンラインイベント]
・ウェブサイトのあるページを閲覧する
・アプリを起動する
・問合せボタンをクリックする
・資料をダウンロードする
・動画再生ボタンを押す
・ECサイトでカートに商品を
・ECサイトで商品を購入する
etc.

[オフラインイベント]
・リアル開催のユーザー会に参加する
・リアル開催の無料体験会に参加する
・店舗で商品を購入する
・電話で問合せをする
etc.

オンラインのサービスでもカスタマージャーニー上で起こる行動が全てがオンラインとは限りません。オムニチャネル展開するコマースでEC側だけの購入をみる、あるいは転職支援サービスの分析で企業との面接履歴がわからなければ意味のある分析にはなりません。
MixpanelはアプリやウェブサイトにSDKを設置してイベントデータを取得しますが、オフラインのイベントもAPI等で連携し分析対象に加えることができます。

また、これまでアクセス解析を行ってきた方で事前のイベント設計になれてない人をよくみかけます。Google Analytics(GA)をイメージしてもらうと分かり易いですが、GAはタグマネージャーでタグを入れれば必要なデータを取ってきてくれたため、とりあえずタグを入れてからどんな分析をするか考えるという使い方が多かったかもしれません。でもGA4でイベントトラッキング方式に変わってからはそうはいきませんよね。これを機に事前のイベント設計に慣れましょう。

当社ではMixpanel導入の際に、お客様側で計測イベントが決まっていない場合、コンサルタントが設計を支援します。その際はカスタマージャーニーマップ(特にユーザー行動にフォーカスしたもの)を描きながら必要な計測イベントを洗い出し、取捨選択を討議しながら整理します。

カスタマージャーニーとイベントの整理例

計測イベントのプランニングについてイメージがわきましたか。イベントが決まれば次は、イベントデータを使ってどのような指標をモニタリングするか設計します。

② モニタリング指標のプランニング

ここで扱う「指標」とはビジネスゴールを達成するためにモニタリングすべき数値で、いわゆるKPI(Key Performance Indicator)のことです。指標もビジネスゴールを見据えて緻密に設計しないと、せっかくレポートやダッシュボードに表示させても、課題が見いだせない、改善ポイントがわからないという意味のないものになってしまいます。

Mixpanelを導入する際に、当社ではMixpanel社が推奨している指標設計のフレームワークに基づいて整理します。

プロダクト指標設計例

最上位にあるKGIはビジネスゴール指標で、通常は「売上」や「有料会員数」が入ります。その下のフォーカス指標から下がプロダクト分析の指標です。

・フォーカス指標
この数字を改善すればプロダクトやサービスによるビジネス成長に直結すると言える指標。顧客のアクティブ率に関連付けられた指標を設定することが推奨されています。
ビジネスの成長は顧客がプロダクトやサービスから得られる体験価値が大きくなることが必須なので、フォーカス指標は顧客の行動(体験アクション・頻度)で定義すると良いでしょう。具体的な頻度はMixpanelで分析しながら見つけるということでも大丈夫です。

※アクティブ顧客の定義例
サブスク型VODサービス:週に3作品以上、動画を視聴する
EC:月に1回以上、商品を購入する
フィットネスサービス:週に2回以上、トレーニング記録をつける

・レベル1指標、レベル2指標
フォーカス指標を向上させるために必要なアクティビティで構成される指標。数多くある指標を顧客のライフサイクル(リーチ/アクティベーション/エンゲージメント/リテンション)で分類します。レベル2指標はレベル1指標を構成する指標というように分解してツリーをつくります。レベル3、4と分解していくことも可能ですが、指標を細分化して増やすと注力すべき施策が見えにくくなるので、優先順位をつけて数を絞ることをおすすめします。

指標設計について、理解いただけましたか。
なお、指標設計から先に行って、指標を取るためのイベント設計をやるという順序でも構いません。むしろその方がビジネス起点の考え方になりますが、プロダクト分析を初めて行うお客様はカスタマージャーニーとユーザー行動の関係性が見えていないことが多いので逆の順序で行うこともあります。もちろん指標設計もお客様側で決められない場合は、当社のコンサルタントが提案しながら設計支援を行うことが可能です。

「イベント」と「指標」のプランニング。プロダクト分析において、この両方を行うことで、自社顧客の行動パタンとビジネスゴールを達成するための顧客体験について深く考えることになります。結果として、分析をした時にプロダクトやサービスの課題が見えやすくなり、改善効果も出しやすくなるのです。

ここまでプロダクト分析に欠かせない2つのプランニングについて書きましたが、実はもうひとつ大事なプランニング業務があります。それは改善施策のプランニングです。冒頭に書いたとおり、分析から課題を見出し、改善施策(UI改善やメールなどの誘引施策)を行わないとビジネスゴール達成は出来ません。
改善施策のプランニングやMixpanelが改善施策にどう活かせるかの話は別途投稿しますね。

少しでもプロダクト分析やMixpanelに興味がわいた方はコチラまで


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