大手外食チェーンが離乳食無料提供開始で既存ユーザーから懸念の声。適切なリリースにより炎上を鎮静化、ブランドイメージの向上に繋げた事例
こんにちは!NTTコムオンライン ソーシャルリスニング担当です。夏休みシーズンが終わりましたが、今年は10月まで暑さが続くとの予報も…引き続き、熱中症対策には力を入れていきましょう!
今回のnoteでは、大手外食チェーンが離乳食の無料提供を開始したことで、既存ユーザーから批判を受けた事案を見ていきたいと思います。
炎上の概要
2023年4月18日、日ごろから女性の(特に一人の)利用客が多い外食チェーンが、全店舗で離乳食の無料提供を開始すると発表しました。無料提供自体はすでに一部の店舗で実施されていたものですが、全店での実施となることを受け、店内環境の悪化を懸念する人や子供連れに嫌悪感を抱く人などによるSNS上での反発が見られました。
また、本件がメディアによりネガティブに報じられたことから、20日には賛否の声が多数寄せられます。
これに対し、企業側は真摯な説明と共に、理解を求めました。謝罪はせず、企業理念やこれまでの施策を具体的に提示し、どのようなサービスを提供していきたいのかをユーザーに示す形でした。
当該リリースは26日公表と、騒動の開始から1週間以上経過してからのものですが、ユーザーによる議論が一定程度成熟された中での毅然とした対応が称賛され、批判はほとんど見られませんでした。
投稿件数
4月18日以降の投稿件数を見ると、メディアによるネガティブ報道と、26日のリリースへの反響が大きいことが分かります。
報道は施策に反発するユーザーの声を大きく取り上げたものが中心で、企業側に瑕疵がないにも関わらず、ネガティブな論調とともに拡散されました。
しかし、子どものいる女性や、既存ユーザーの一部からは施策についてポジティブな評価が継続して見られ、26日のリリースまでに様々な意見が交わされることとなりました。
時系列ごとの論調
この事案では
離乳食無料提供の発表後
メディアによる報道の後
26日の企業のリリースの後
の3段階に分けて論調を見てゆくと、既存ユーザーの懸念に端を発するユーザー同士の議論が成熟していく様子がよくわかります。
離乳食無料提供の発表後
一部の既存ユーザーから、
子どもの声などにより、落ち着いた雰囲気で利用できなくなる
子ども連れ優先の雰囲気ができるとリラックスして利用できなくなる
狭い店内でベビーカーなどの利用があると危険
利用客の拡大のためには仕方がないのかもしれない
などの意見がありました。
SNSの特性上、反論やネガティブな声に注目が集まりやすいため、今回の施策への反対意見がまず見られました。
メディアによる報道の後
報道を見たユーザーから、
子ども連れを歓迎してくれる店が少ないので助かる
子ども連れで短時間の利用ができる休憩場所が少なくて困っていたので良い
利用客層の拡大が見込める良い施策だ
子どもが好きだから子連れ客がいても気にならないor良い
子連れ客は社会で受け入れるべき
企業は悪いことをしていないのだから何も問題はない
批判的な女性客は一部だけだ(ほかのお店を利用するようになるだろう)
子連れを受け入れるべきなのは理解するが、女性一人で利用しても落ち着ける空間も欲しい
など、SNS上の反発への反論を中心に、20日の一日だけでも12万件以上の言及がありました。
この時点では、企業側から見るとポジティブな論調が多くなってきているようですが、一部の既存ユーザーからは自身が落ち着いて利用できなくなることを懸念する声が継続していました。
26日の企業のリリースの後
企業に問題がないので、安易に謝罪せず良い対応だった
企業が目指す方向をわかりやすく示してくれた
既存ユーザーも引き続き大切にしていくという姿勢が見られた
子連れや障がい者に対する施策を新たに知れた、利用したい
など、企業が毅然とした態度で説明をしたことから、施策について社会的な意義のある活動であると評価されました。
今回は企業側に問題がなかったことから、安易に謝罪してしまうとかえって批判される可能性が高く、またユーザーの懸念点を払拭できない対応をした場合も批判が継続する可能性がある、と難しい対応を迫られたケースでしたが、最終的にはユーザーの議論や意見を網羅的に把握した上での適切な対応により、ブランドイメージの向上に繋がりました。
炎上の早期鎮静化のために
SNS上の論調を把握し、適切な対応を目指しましょう
今回の炎上では
企業側に問題がなかった
一部の批判の声がメディアに大きく取り上げられた
報道を見たSNSユーザーにより賛否の声が寄せられ、言及が増加した
企業側に瑕疵がなくとも、メディアの影響力により「問題があるように見られてしまった」ケースですが、
SNSユーザーの論調にある程度落ち着くまで静観したことで、企業側に問題がないことや、ブランドとして社会的意義のある施策を継続して行っているとの理解を得られる結果となりました。
ただし、一度炎上してしまえば、顧客・メディア対応や日々の業務と平行してユーザー論調を把握することは困難になります。今回のように企業側に問題がない場合は特に、批判と評価の両方の観点から対応を検討する必要があり、分析すべきSNSデータも多岐に渡ります。
リスクのある言及を把握することで炎上に備え、炎上の予兆が見られれば監視を強化するなど、フレキシブルな対応が求められます。
まずは、
「製品・ブランド系キーワード×批判系キーワード」
で、Twitter投稿をリアルタイムに収集し、素早く把握しましょう。特にリリース発表の後は反響が見られますから、関連するキーワードを確認しておきたいですね。
ブランド・サービス系キーワードの例→「ブランド名」や「メニュー名」など。
炎上トレンド系キーワードの例→「困る」や「もう行かない」など。
上記のようなキーワードを含む投稿を常時監視できれば、問題が顕在化する前に検知できる可能性が高まります。
とはいえ常にTwitterをモニタリングするのは難しいものです。
そこで、各種SNSやニュースサイトなどの投稿をリアルタイムに収集・分析・通知を行うソーシャルリスニングツールの活用をおススメします!
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ではまた、次回のnoteでお会いしましょう!