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NPSアンケートにおけるカスタマージャーニーの設計を教えてください!

こんにちは!NTTコム オンラインの藤村です。 久しぶりの登場になりました。今日は、カスタマージャーニーについて解説していきたいと思います。

NPSコンサルタント藤村(ふじむら)がご紹介します

ロイヤルティ改善のため、顧客体験を洗い出す!

NPSアンケートを設計するにあたって、顧客体験を具体的に改善に繋げていくため、 顧客行動(事実)を洗い出し、顧客ロイヤルティ形成のメカニズムを解明するにあたって、カスタマージャーニー(あるいは、カスタマージャーニーマップ)の作成が有効です。

カスタマージャーニーとは、顧客を想定したペルソナの行動や思考、感情を時系列にまとめ、顧客が購入に至るまでのプロセスを可視化したもののことです。 アンケートの作成において、カスタマージャーニーを作成する理由は2つあります。

一つは「顧客を理解するスタンスが身につくため」です。マップを作成する過程で、さまざまな接点にまたがった顧客の行動や感情に想像力を働かせることができます。これによって顧客を理解する姿勢が養われていきます。 もう一つは「顧客視点で体験を洗い出して、設問を作り、顧客視点に立った改善を行うため」です。

企業の視点からのみで設問を考えてしまうと、ロイヤルティに影響の大きいタッチポイントが抜け落ちてしまうことがあります。そういったことを防ぐためにカスタマージャーニーを作成します。

カスタマージャーニー生成の目的はロイヤルティ構成要素の抽出。各体験の関係を考慮し、シナリオの設計を行う。小売店を例にすると広告で認知、サイトやSNSで比較検討し店に来店に来店購入し、ブログにアップ。メールや電話でサポートを受ける。
小売店のカスタマージャーニーの例

こちらは小売企業におけるカスタマージャーニーですが、認知~購入、フィードバックという流れになっています。 そして、どのタッチポイントが課題になっているか仮説を立て、それらの要素を、調査票のロイヤルティ項目として盛り込みます。

ロイヤルティに影響を与える項目を洗い出す。ブランドイメージやサイトのわかりやすさ、SNSの口コミから購入のしやすさ、ポイントの有無などとNPSとの相関を見出す。
NPSと項目の相関関係を確認する。

NPSと各項目の相関関係を確認することで、NPSを押し上げる、引き下げる要因を特定することができるのです。

カスタマージャーニーの作成ステップ

カスタマージャーニー作成は主にこの6つのステップで、実践していきます。付箋などを用いて、数時間のディスカッションを通じて作成していくことが多いです。

カスタマージャーニーの作成ステップ

STEP1: 主人公となる人物が、スタートとゴールでどんな状態にあるかを決めます。

スタートで言えば、「ブランドを認知しておらず、購入体験がない」、「顧客データを活用する方法を模索している」など ゴールで言えば、「定期購入するようになる」、「データ活用の結果、売上が10%向上した」といった状態です。

STEP2: ペルソナ(=主人公)は「セグメント」と「代表性」を意識してアイディアを出します。

性別、年齢、職業といった基本属性から、ジャーニーに関わる行動属性を設定します。

STEP3: 簡潔な表現で行動を書き出していきます。

STEP4: ステージ分けはジャーニーを俯瞰して見つめる作業です。

行動を分類していくと、顧客はこんな行動も取ってるはず、このステージとこのステージの間にはもう一つ段階があるのでは?といった発見があります。

STEP5: 顧客接点とは顧客行動を実現している手段のことです。

ここでは自社が提供している接点に限定しないように、顧客目線で接点を考えてください。

STEP6: 顧客行動を可視化し、どのような接点を使っているかを洗い出した後は、その背後にある「感情の変化」に注目していきます。

ここからプラスの感情、マイナスの感情を想像することで、どこを強化、あるいは改善しないといけないのか、そのためには 顧客からどれくらいの粒度でどういった内容のフィードバックをもらえばいいのか、それに対して施策として何をするのか、を考えるときの材料になります。

仮説の一例

参考記事:NPS調査の結果を効果的な改善アクションにつなげるための分析イメージ

カスタマージャーニー作成の基本ポイント

カスタマージャーニー作成にあたって、基本ポイントを3つご紹介します。

1:お客さま目線で長く作成する

例えば、「お客さまは、比較サイトで見てから自社サイトに来訪する」という、自社サービス開始時点からでは見えていないステップがあるかもしれません。

2:自組織だけではなく、会社全体としてとらえる

例えば開発者だけで作ると、製品の詳細なことが多く挙げられてしまうかもしれません。お客様目線での検討が重要です。

3:ペルソナを意識して具体的に捉える

ターゲットが漠然としていると、その後の接点や感情の洗い出しも漠然としてしまいます。具体的な顧客像をイメージして共有しましょう。

実践におけるアドバイス

最後に、実践にあたってのちょっとしたアドバイスをお伝えします。

1:あまり複雑でなくとも良いかもしれません

我々のカスタマージャーニーの作成目的は、アンケートで測定して、アクションに繋げることです。 それほど多くのことをアンケートで聞くことも難しいです。だいたい、10項目程度を目途に検討しましょう。

2:ファシリテーションは難しいので、準備が大事です

短時間の打ち合わせでできたカスタマージャーニーの内容に心配する人も多いはずです。  関係者が議論する際に偏らないように、参考になる情報を事前に用意しましょう。

3:ペルソナも1~数パターン程度で良いかもしれません

アンケート設問の大幅な出し分けが必要なほど顧客体験が違う場合にはその単位で作成することを検討してもいいかもしれません。  例)新規顧客と継続顧客、大企業層と中堅企業層

まとめ

いかがでしたか?カスタマージャーニーは、通常数時間のディスカッションや数人へのインタビューを行って作成していくものとされていますが、これまでのアンケートの自由記述を活用してどんな接点があるのか確認するという方法もあります。

これまでのアンケートの自由記述を、テキストマイニングのツールを使いグルーピングしていくと、重要な接点がどこなのか見えてくることがあります。

NTTコム オンラインはNPS調査の設計から調査実施まで、コンサルタントがサポートしています。気になる点があれば、ぜひお気軽にご相談ください!

https://www.nttcoms.com/service/nps/inquiry/

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