NPS調査に取り組みたいのですが、他社との比較データが無いと自社の立ち位置が解らず目標が立てられません...
みなさま、こんにちは!NTTコム オンラインの藤村です。 今日はNPSの目標設定についてお話したいと思います!
他社の数値を直接的に参考にできる例は少ない
NPS®は、批判者しかいないことを示す-100から、推奨者しかいないことを示す+100までのどこかにあてはまりますが、確かに業界によってその値は大きく異なります。
趣味やエンタメの領域にあたる業界ではプラスの値に、反対に金融業界や携帯キャリアなどのNPSはマイナスの値になることは想像に難くないでしょう。 そこで、よくお客様にも「ベンチマークとするために同業界内の平均的なNPSを知りたい」とご質問いただきます。
しかしながら、同業界の事例を知っていたとしても、対象顧客・調査タイミングなど、完全に同じ条件で調査を行っていることは少ないため、回答できたとしてもあくまでも参考程度となってしまいます。
例えば調査対象が、調査会社が保有するアンケート・モニタか、自社顧客リストにある顧客なのかによってNPSスコアは大きく変動します。 また、自社顧客リストを対象にしたものだとしても、その時点での顧客全体を対象にした調査と、ここ1年で新規取引があったお客様だけに絞った調査とでは全く異なる結果になります。
経年で計測し、コツコツ改善することが大切
では、どのように目標を立てるのか?ここでNPS調査を行う目的に立ち戻ってみます。 多くのお客様において、このような目的でNPSを運用したいのではないでしょうか?
お客様のロイヤルティを測定し
ロイヤルティを醸成している要素は強みとして伸ばし
ロイヤルティを阻害している要素を改善するアクションを導き出すことで
改善活動のサイクルを作り出すこと
つまり、NPSはあくまで改善活動のためのツールです。 そのため、自社の数値を測定して""経時で""改善していくことが一番重要で、初回で目標を立てることにあまり意味はありません。
初回調査で出た結果を「自社顧客のロイヤルティの現在地」と捉え、それを基準に次年度目標を立てていただき、また次年度の結果をもとに次の目標を…といった具合に、コツコツと改善活動を行っていただくための指標としていただく、という考え方が大切です。
競合との立ち位置比較との使い分けを
一方で、まったく競合企業を意識しなくていいのかというと、そうではありません。 自社顧客向け調査を使ってロイヤルティ測定を継続的に行い改善活動を行うのと並行して、 今度はその取り組みが市場全体でも認められているのか、競合との立ち位置を確認する必要があります。
自社NPSが改善してきた結果、競合より高い位置にいるのか、それとも競合企業はもっと努力していてまだまだ自社は業界内では遅れているかもしれません。
この把握には、調査会社が保有するアンケート・モニタを使った市場調査を行ったり、調査会社が出している業界ランキングを参照するのが有効です。
弊社でも毎年各業界でNPS調査を行いベンチマークレポートを発行しておりますので、業界が一致するようでしたらぜひ参考にしていただければと思います。 毎年約18業界で実施しているため、経年変化や傾向もご確認いただけます。
まとめ
いかがでしたか?自社顧客向け調査ではコツコツ改善活動を継続し、競合企業を意識した立ち位置の確認は別途行うことで、使い分けて運用していきましょう。
NPS調査をはじめて実施する際は、上層部や現場からこのような質問をされて答えに窮してしまうこともあるかと思いますが、NTTコム オンラインはいつでも皆様の活動に寄り添い伴走支援していきます。
また弊社は、自社顧客向け調査だけでなく、記事内でも言及しましたモニタを使った市場調査にも対応可能です。 何か気になることがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください! それではまた次回お会いしましょう。